インテリジェントアレー撰壇塾
講演時間 会場
◆講演日:11月21日(月) 19:00〜
当講演会は講演90分、質疑応答30分を予定しています。

 〜コミュニケーションの本質から現代社会の本質に迫る〜
平田 オリザ (ひらた おりざ)氏
劇作家・演出家 東京藝術大学特任教授


撮影:青木司

【テーマ】
『わかりあえないことから』〜コミュニケーション能力とは何か〜

【要 旨】
「近頃の若者はコミュニケーション能力がない」という一般論を良く聞かれるのではないか。しかし近頃の若者に「コミュニケーション能力がない」というのは、真実か。そもそも、「コミュニケーション能力」とは何なのか。現在企業や社会が要求するコミュニケーション能力とは、「異文化理解能力」。グローバルな経済環境において価値観が異なる人の意見を理解した上で、自らの考えを主張し、妥協点を見いだすことができること。ところが、私たちは実態として、無意識のうちに、「上役の意図を察して機敏に行動する」といった従来型のコミュニケーション能力を求めてしまっているのではないか。平田氏は、このような矛盾がまかり通っている現代社会に、「コミュニケーションの本質」を問いかけ、大きな反響を呼んだ。同氏はわかりあえないことを前提におき、その中でお互いの共通点や妥協点を見出すことにコミュニケーションの本来的な姿を見出している。今回、単なるテクニック論ではない、コミュニケーションの本質に迫るご講演をいただく。

略歴 1962年東京生まれ。劇作家、演出家。城崎国際アートセンター芸術監督、こまばアゴラ劇場芸術総監督。劇団「青年団」主宰。東京藝術大学COI研究推進機構特任教授、大阪大学COデザインセンター客員教授、四国学院大学客員教授・学長特別補佐。
1982年国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。「現代口語演劇理論」を提唱し、1990年代以降の演劇に大きな影響を与える。1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。2003年日韓合同公演『その河をこえて、五月』で、第2回朝日舞台芸術賞グランプリ受賞。
2006年モンブラン国際文化賞受賞。2011年フランス国文化省より芸術文化勲章シュヴァリエ受勲。近年はフランスを中心に各国との国際共同製作作品を多数上演のほか、大阪大学・東京藝術大学と共同でロボット・アンドロイド演劇プロジェクトなど先駆的な作品を多数上演。
全国自治体との関わりも多岐にわたり、2016年度より岡山県奈義町の教育・文化まちづくり監に任命される。